テキサスのインストゥルメンタル・クァルテット。
凄まじい轟音の果てに、儚い美しさを響かせる、
次世代ポスト・ロック代表格による金字塔たる4th。
2005年に、テキサスはサン・マルコスで結成された4人組インストゥルメンタル・バンド。正式リリースされる前から自主制作CD-RがThe Silent Ballet誌の年間ベストの5位に選出されるなど、早くも各方面で絶賛される。その後、メンバー・チェンジやレーベル移籍を経つつも、確実に評価と人気を拡大。全米やヨーロッパで精力的にツアーやフェス出演をこなす。2010年にはDeftonesのツアーに参加。2011年にはブラッド・ピット主演映画『マネーボール』で楽曲が使用され話題に。同郷のExplosions in the Skyを始め、Mogwai、65daysofstatic、Saxon Shoreら、轟音インストゥルメンタルの系譜を受け継ぐ次世代ポスト・ロックの貴公子が、次のステージに上がったことを高らかに告げる金字塔的作品。
comments
「この、テキサスはサン・マルコスで結成された4人組、ディス・ウィル・デストロイ・ユーについて、「ポスト・ロック」というカテゴリーで安易に括られたり他のバンドと比べられたりすることは、メンバー自身が度々インタヴューで言及している通り不適切なことなのかもしれない。とりわけ、同郷ということもありエクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ(※結成はテキサスのオースティン)の名前を多々引き合いに出されることへの不満は、彼らのウィキペディアにも載っている“公然の事実”のようだ。
しかしながら、彼らが、モグワイやシガー・ロスをひとつの源流とした「ポスト・ロック」~インストゥルメンタル・ロックの正統的な系譜を受け継ぐバンドであることもまた、大方の見方が一致するところだろう。その系譜には、65デイズオブスタティックやゴッド・イズ・アン・アストロノウトから、ペリカンやクリップルド・ブラック・フェニックスといったメタル~ストーナー寄りのコレクティヴ、あるいはそれこそEITSも名を連ねられるに違いない。そして、自主制作のCDRながら称賛を浴びた2005年のデビュー・アルバム『Young Mountain』(※翌年、サニー・デイ・リアル・エステイトやオールド・マン・グルームを擁した〈Magic Bullet〉から再プレス)以降、堅実に積み重ねられた10年に及ぶキャリアとその足跡を記したディスコグラフィは、爛熟期を潜り抜けた「ポスト・ロック」~インストゥルメンタル・ロックのディケイドの歩みを映し出すものでもあるはずだ」
天井潤之介(ライナーノーツより抜粋)