マシュー・ドーティーを中心とする、ペンシルヴァニア出身の5人組インストゥルメンタル・バンド。2001年にマシューとドラマーのジョッシュ・ティルマンによって結成される。2002年、自身のレーベルBroken Factory Recordsよりアルバム『Be a Bright Blue』にてデビュー。その後、Burnt Toast Recordsと契約、メンバーを入れ替えながら、これまでに3枚のフルレングス、1枚のEPをリリースしている。特に2005年リリースの『ジ・エクスクイジット・デス・オブ・サクソン・ショア』は、フレーミング・リップス、モグワイ、ウィーザー、ナンバー・ガール、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー、MGMT等々を手がけてきたデイヴ・フリッドマンのプロデュースにより、彼らの繊細かつ凶暴なメロディー/サウンド・センスが開花。その驚異の完成度の高さが口コミで評判を呼び、ここ日本でも全国の輸入盤店でトップ・セールスを記録。同年のベスト・アルバムの1つに挙げる人も少なくなかった。その反響を受け、2006年3月、同アルバムが、バトルスのタイヨンダイ・ブラクストンのリミックスを追加して邦盤化。さらに同月には、大先輩であるトリステザとのカップリングにより初来日ツアーが実現。先駆者と新世代によるインストゥルメンタル/ポスト・ロック対決に全国が酔いしれた。それから早3年。その間、マシューはバルティモアに、オリヴァーとスティーヴンはブルックリンに移住したこともあり、レコーディングはゆったりとしたペースで行われた。そうやって、ようやく完成した4thアルバム『IT DOESN’T MATTER』は、前作と同じくデイヴ・フリッドマンを迎え、数々のツアーによってライヴ・バンドとして成長したこの5人によるパフォーマンスを生々しく捉えることに成功。さらに、Temporary Residenceから素晴らしいソロ・アルバムをリリースし、マイス・パレードのサポート・メンバーとしてフジ・ロック・フェスティヴァルにも出演したことのあるキャロライン・ラフキン(姉はJ-POPシンガーのOLIVIA)が参加した、初のヴォーカル曲である「This Place」や、オリヴァーとスティーヴンによるストリングス・アレンジを施した「Small Steps」など、新たな試みにも挑戦している。そして、それらがより開かれた空気をもたらし、より多くの人に聴かれるべきという意味で、史上最高に“ポップ”なアルバムとなった。このアルバムをひっさげて、2009年7月、再来日を果たし、日本のポスト・ロック・バンドsgt.とスプリット・ツアーを成功させている。