シアトル在住のシンガー・ソングライター。1992年よりTattle Taleのメンバーとして活動を開始する。2枚のアルバムを残して解散した後、1996年、単身カリフォルニア州サンタ・クルーズに移住。そこでギターとヴォーカルだけで数々のポップ・ソングを制作。1998年に自身のレーベルRadar Lightからソロ・デビュー・アルバム『No More Wading』をリリース。同年、ザット・ドッグのヴァイオリニスト、ペトラ・ヘイデンも参加した2ndアルバム『Getting Past The Static』をリリースした後、再び故郷シアトルに戻る。同年にはさらにTree Recordsよりジョーン・オブ・アークのティム・キンセラとのスプリットEP、そして2000年には同レーベルよりEP「The Uncontainable Light」リリースしている。2002年、3rdアルバム『Traveling through Roots』でクアトロ・ディスクより日本デビュー。2003年にはザ・ポスタル・サーヴィスのアルバム『ギヴ・アップ』に参加。「Nothing Better」でデス・キャブ・フォー・キューティーのベン・ギバードとデュエットし、シングル「Such Great Heights」ではバッキング・ハーモニーを披露している。2004年、Face Hand Shyよりリリースされた日本限定EP「Jen Wood」を引っさげ、盟友Tomo Nakayamaらと共に来日、二階堂和美をゲストに迎え、全国7公演のツアーを成功させている。2009年、実に7年ぶりとなる4thアルバム『Finds You In Love』を日本大先行でリリース。その後、2013年に、ザ・ポスタル・サーヴィスの10周年記念再結成公演にゲスト出演するなどのトピックはありつつも、またしても沈黙を守ること5年、ようやく5thアルバム『WILDERNESS』が到着。これまでのアコースティック・ギターを置いて、全曲ピアノを中心に、シアトルの気の置けない仲間たちによる力強いバンド・サウンドを基調にしつつ、デジタルな要素も導入した、これまでの中でもっとも華やかなアルバムとなっている。そして、やはり特筆すべきは、そんなサウンドの中で、益々滋味に溢れ、さらなる表現力の高みに達したジェンの唄声。あくまでもマイペースに、しかし確実に先に進むことをやめない、表現者としての凄みすら感じさせる1枚。女性シンガー・ソングライター・ファンやUSインディー・ファンのみならず、すべての音楽ファンに届いてほしい傑作。