2003年からNYのブルックリンで活動するコリン・ルフィーノとデイヴィッド・グロスの2人組。元々ニュー・オリンズの高校で同級生だった2人は意気投合し、ショート・ヴィデオを作成したことから、コラボレーションが始まる。当時、コリンはNine Inch NailsやSmashing Pumpkins、Radiohead、Massive Attackなどに影響を受けて、The Great and Secret Showというバンドをやっていた。一方、デイヴィッドは、両親がクラシック音楽家であり、最近のヒット・ソングはおろか、1900年以降に書かれた曲から隔離されて育ったクラシック・ピアニストであったが、次第にコリンに感化され、バンドに加入、キーボードを弾くようになる。大学進学にあたってバンドは解散、コリンはNY、デイヴィッドはボストンと離れ離れになるが、夏休みなどを利用して、2人での音楽制作は継続。大学を出て、NYで再会、ホーム・ヴィデオとして活動を始める。03年の冬に作ったデモがUKのWarp Recordsの耳に留まり、04年にWarpから2枚のEPをリリースする。1st EP「That You Might」は、すぐにBBC Radio 1やNME誌にピックアップされ、2nd EP「Citizen」ではRolling Stone誌にフィーチャーされた。06年、USのDefend Musicから1stフル・アルバム『No Certain Night Or Morning』をリリース。収録された2曲が、グラミーにもノミネートされたDJ Sashaの『Involver 2』のリミックスに、Thom Yorke、やLadytron、M83、Apparatらの楽曲と共に使用され、話題となる。音源は2人だけで制作されるが、生ドラムやプロジェクターをフィーチャーしたライヴも定評があり、ヨーロッパ・ツアー中、ロンドンで共演したBlonde Redheadは彼らのライヴに感銘を受け、3週間の北米ツアーのオープニング・アクトに抜擢する。その後も、Justice、Yeasayer,、Flying Lotus、Pinback、DJ Krush、Colder、Radio 4など、錚々たるアクトのオープニングを務める。そのバンド名の通り、ヴィデオも自分達で制作し、「I Can Make You Feel It」のヴィデオは、MTV2の「Subterranean」でプレミア放送され、その後YouTubeのトップにフィーチャーされ、1週間で200,000ヴューを記録した。その「I Can Make You Feel It」も収録された、4年ぶりとなるこの2ndアルバム『THE AUTOMATIC PROCESS』は、Massive Attack、 Boards of Canada、Depeche Mode、Phillip Glassといった初期からの影響を見事に消化し、ミニマルなビートに、デイヴィッドのクラシカルな繊細さ、そしてコリンの実存的な唄が乗るという、ホーム・ヴィデオ節ともいうべきスタイルを完全に確立したエポック・メイキングな作品に。聴き込むうちに、いつのまにか深遠なるホーム・ヴィデオ・ワールドに耽溺してしまう、そんな傑作に、ボーナストラック2曲を追加収録した特別ヴァージョンで、遂に日本デビューを果たす。