ドイツ、ケルンを拠点にデジタル・ジョッキー名義で活動するマイケル・ルックナーと、日本人ヴォーカリスト、アヤコ・アカシバによるプロジェクト。哲学の修士号を持ち、現在ドイツを代表する思想家、フリードリヒ・キットラーと共にメディア・サイエンスを研究する傍ら、ドイツ・ジャズのシーンでダブル・ベース、ギター、サックス、トランペットのプレイヤーとして活動していたというユニークな経歴をもつデジタル・ジョッキーは、1995年以降ウルフガング・ハゲドルンと共にコンピュータージョッキー名義で2000年、2001年と続けて作品を発表。そして2002年、ギター名義でリリースされた初のアルバムとなる『Sunkissed』は、全体にデジタルなビートと様々にトリート/パンされたディストーション・ギターのサウンドが見事な美しさをたたえつつレイヤードされ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなど1990年代の良質なシューゲイザーを想起させるサウンドに仕上がっている。またアヤコ・アカシバと、ドンナ・レジーナの、儚く愛らしく歌声もこの作品を形作る上で重要な役割を果たしており、初アルバムにして卓越したポップ・センスが光る作品となった。このアルバムのデモを最初に聴いたのがモール・ミュージックのトーマス・モールとクリエイション・レコーズのアラン・マッギーで、アランもこのアルバムを大変気に入ったのだが、デジタル・ジョッキーは敢えてこの作品をモー・ミュージックからリリースすることにしたという。現在にいたる新たなネオ・シューゲイザー・ムーヴメントの先駆けとなった金字塔的アルバム(2009年6月、残響レコードより再発)。2004年6月発売の2ndアルバム『ハニースカイ』からアヤコ・アカシバを全面的にフィーチャー。2004年10月の<sonarsound Tokyo 2004>でのふたりの日本初ライヴは大反響を巻き起こした。2006年、3rdアルバム『ソルティーキッシズ』、4thアルバム『Tokyo』を同時リリース。2007年には5thアルバム『Dealin with Signal and Noise』をリリース。待望の来日ツアーも行った。そして2009年秋、待望の6thアルバム『Friends』が完成。タイトルが示すように、アカシバの身近な事柄への感謝の念を綴った日本語詞が全面にフィーチャーされ、またマイケルが紡ぎだすトラックもこれまでになく軽やかで快感指数が高い。両者の才能がまた違った形で化学反応を起こし、新しいポップの形を作り上げている。& recordsより世界独占リリースとなる。