Archive for 12月, 2011

HOME VIDEO / THE AUTOMATIC PROCESS

水曜日, 12月 7th, 2011

03年からブルックリンで活動するコリン・ルフィーノとデイヴィッド・グロスによるデュオ。04年、UKのWarpから2枚のEPでデビュー。06年リリースの1stアルバム収録曲が、グラミーにもノミネートされたDJ Sashaの『Involver 2』のリミックスに、Thom Yorke、Ladytron、M83らの楽曲と共に使用される。ライヴも定評があり、Blonde Redhead、Justice、Yeasayer、Flying Lotus、Pinbackなどのオープニングを務める。「I Can Make You Feel It」のヴィデオはYouTubeアップ後1週間で20万ヴューを記録。ミニマルなビートに、デイヴィッドのクラシカルな繊細さ、そしてコリンの実存的な唄が乗るという、独自のスタイルを完全に確立し、いつのまにかその深遠なる世界に耽溺してしまうような、魅惑的な2nd。

AZURE RAY / DRAWING DOWN THE MOON

水曜日, 12月 7th, 2011

2000年より活動するネブラスカ州オマハで活動する女性2人ユニット。01年、アルバム『Azure Ray』でデビュー。優しく物憂げな2人のヴォーカル、フォークやアメリカーナにエレクトロニカ・エッセンスをまぶした音楽性、ノスタルジックなアートワークなどが評判となる。その後、03年までに1枚のEPと2枚のアルバムをリリース、MobyやBright Eyesのアルバムにも参加し、USインディー・シーンにおいて確固たる地位と評価を得るも、04年に活動休止。事実上の解散となる。ソロや別ユニットでの活動を経て、2010年、奇跡的に2人は再会、この素晴らしい復活作を完成させる。7年前と全く変わらない、ただシンプルで、しかし息を呑むほど美しい2人の唄声による完璧な12曲が収められている。

WIRES UNDER TENSION / LIGHT SCIENCE

水曜日, 12月 7th, 2011

NYで活動するヴァイオリン&ドラムのデュオ。2人ともクラシカル・ポストロック・バンド、Slow Sixのメンバーでもある。Slow SixはヴァイオリニストでありコンポーザーであるChristopher Tignorを中心に結成。04年に、Dirty Projectorsを輩出したWestern Vinylからデビュー。クラシックをはじめ、ポストロック、ジャズ、サイケデリックなど様々な要素を想起させるクロスオーヴァーな音楽性と、Christopherの確かな作曲能力と挑戦的な姿勢が、Pitchfork、Wire、The New York Timesなど各メディアで絶賛される。そんなChristopherの新たなる音楽的実験の場となったのがこのWUT。バンド名そのままに、2人よる緊張感溢れる、野心的なインストゥルメンタル・サウンドがパッケージされている。

STYROFOAM / DISCO SYNTHESIZERS & DAILY TRANQUILIZERS

水曜日, 12月 7th, 2011

1999年よりアントワープで活動するアーネ・ヴァン・ペテヘムによるユニット。ドイツのMorr Musicから、00年から04年までに4枚のアルバムをリリース。優しく温かなインディー・ポップ meetsエレクトロニカなサウンドが高い評価を得る。The Postal Service、Death Cab For Cutie、The American Analog Set、Lali Puna、mum、Jimmy Eat World、Fat Jonらと親交が深く、コラボやリミックスをしあう。本作はNettwerk移籍第2弾。前作で完成させた“唄ものエレクトロニカ”をさらに発展させ、New Order、Kraftwerk、Depeche Mode、そして初期のエレクトロ・ヒップホップやポストパンクへの深い愛情を包み隠さず、エレクトロニック・ミュージックとしての快感度を極限まで追求したアルバムに。

SOFT / DOGS

水曜日, 12月 7th, 2011

ジョニー・レイネックを中心に、2004年にNYのブルックリンで結成された5人組。自主EPが、いきなりInsoundのチャートで4位を記録する。またMaroon 5やHard-Fi、Mark Gardnerらのオープニング・アクトに抜擢される。06年に1stアルバムをリリース。日本で1万枚を超える大ヒットを記録する。プロデュースにYeah Yeah Yeahs、 Grizzly Bear、TV on the Radio、 Beach House等を手がけるChris Coadyを迎えて制作された本作は、前作同様、Stone Rosesを彷彿させるグルーヴに、Oasisの全盛期に優るとも劣らないシンガロング度の高いメロディーを纏った最強のアルバムに。先進的な音楽性と高いファッション性、そして人懐っこさを兼ね備えた稀有なバンドが、満を持して世に問う2作目。

L’ALTRA / TELEPATHIC

水曜日, 12月 7th, 2011

1999年より活動。シカゴという“音響派”出身ならではの繊細な音作り、ピアノやストリングスの叙情的な響き、そして悲しくも美しい二人の唄心が感動的で、“スロウコア”“サッドコア”の新たなる旗手として脚光を浴びる。05年、Telefon Tel Avivプロデュースによる3rdで音楽的にもセールス的にも大きな飛躍を遂げるも突然活動休止、ソロ活動に入る。08年、初の来日ツアーで復活を果たす。実に5年ぶりとなる本作はTelefon Tel Avivをはじめ、 Bonnie Prince Billy、Pulseprogrammingといった盟友たちが参加。2人の強靭な唄を軸に、様々なコラボレーションを通して生まれた芳醇なトラックが花を添えるという前作からのスタイルが完全に実を結び、5年の不在を埋めてあまりある傑作が誕生した。

VERSUS / ON THE ONES AND THREES

水曜日, 12月 7th, 2011

1990年、NYにてリチャード・バルユットを中心に、弟エドワード、紅一点フォンテーン・トゥープスによって結成。プラス/マイナスのジェイムス(バルユット兄弟の末っ子)、パトリックも一時在籍するなどメンバー・チェンジを繰り返しながら、Teenbeat、Caroline、Mergeから5枚のアルバムをリリースし、インディー・ポップのメロディー・センスと、グランジやオルタナのラウドさを併せもつ稀有なバンドとして、スーパーチャンクやヨ・ラ・テンゴらと共にUSインディー・シーンでリスペクトを集め続けるも、01年に活動休止、個々の活動に入る。それから実に10年ぶりに届けられた本作は、まさにUSインディーの良心そのものと言うべき傑作に仕上がった。彼らの帰還を心から祝福したい。

ADMIRAL RADLEY / I HEART CALIFORNIA

水曜日, 12月 7th, 2011

グランダディのジェイソンとアーロン、アーリマートのアーロンとアリアナ、この盟友4人による新たなるバンド。グランダディは92年結成。97年V2より再リリースされた1stでブレイク。00年、第1回サマーソニック出演。アーリマートは、エリオット・スミス、フォーク・インプロージョン等のエンジニアであったアーロンによって99年に結成。08年、5thと6thを日本リリースし来日ツアーも成功させている。長い付き合いである彼らは、以前よりアーロンが所有するスタジオThe Shipでセッションを繰り返し、気が付けばアルバムが完成。決して、その場の楽しみのためだけに作られたのではなく、両バンドの良いところだけを抽出して結晶化したような、素晴らしい作品となった。

MARCHING BAND / POP CYCLE

水曜日, 12月 7th, 2011

2004年より活動するリンシェーピング在住のデュオ。08年8月、LAのU & L Recordsからリリースされた1stが、多彩な楽器を幾重にも重ねた流麗なサウンドスケープや、ビートルズばりの美メロとハーモニーが、ベル&セバスチャンやザ・シンズなどを引き合いに出されながら大きな話題となる。その後も多くの映画やTVから彼らの楽曲が流れる中、2ndが到着。ピーター・ビヨーン・アンド・ジョン、ザ・コンクリーツ、カメラ・オブスキュラなどを手がけたヤリ・ハーパライネンをプロデューサーにより、前作同様、ウキウキするようなキラキラした楽曲に、高度に練りこまれたアレンジ、文学性の高い歌詞と、どこをとっても隙のない、まさに究極、無敵のポップ・アルバムがここに完成した。

ELECTRIC PRESIDENT / THE VIOLENT BLUE

水曜日, 12月 7th, 2011

2004年よりフロリダ州ジャクソンヴィルにて活動するベンとアレックスによるデュオ・ユニット。06年1月に、ムームやスタイロフォームを輩出するドイツのエレクトロニカ系レーベルMorr Musicよりアルバム『s/t』にてデビュー。ポスタル・サーヴィスやクラウドデッドらと比較され、輸入盤ながら大ヒットを記録する。3rdとなる本作で、ベンのSSW的資質は前作よりさらに進化/深化を遂げた。彼らの最大の特徴であるキャッチーなメロディーはそのままに、美しいハーモニーや、幾重にも編み上げられたサウンドスケープは緻密さを増し、そしてなによりソングライティングの成熟を強く感じさせる逞しい楽曲群。“サウンドによる絵画”とも言うべき、新たなる芸術作品をじっくり堪能して頂きたい。