キャップン・ジャズ、ジョーン・オブ・アーク、ゴースツ&ウォッカなど日本で人気の高い数々のバンドに関わってきたメンバーによって2003年にシカゴで結成された4人組。録音がメインであるジョーン・オブ・アークのライヴ・バンド化を試みるところから始まり、メンバーのケミストリー重視で、よりコラボレーティヴな“バンド”としての曲作りによってメンバーの強烈な個性がぶつかり、この4人でしかありえないメイク・ビリーヴ・サウンドが誕生した。2004年5月Flameshovel RecordsよりEP「MAKE BELIEVE」でデビュー。同年11月に7″をリリース後、満を持して2006年8月、日本2ヶ月先行で、スティーヴ・アルビニ録音による1stフル・アルバム『Shock Of Being』をリリース。自由でエクスペリメンタルな要素の強いジョーン・オブ・アークと違い、4人がそれぞれパートを固定し、4人だけで鳴らすバンド・サウンドをストイックに追及していく様を捕らえた最良のドキュメントとなり、高い評価を得る。2006年1月、初来日ツアーを敢行。一人ユニットLove Of EverythingとしてOwenに勝るとも劣らない唄心を披露したボビー、永遠にタッピングを続けるサム、ドラムを叩きながらキーボードを弾くというありえない離れ業をさらりとこなすネイト、その上で、Calvin Johnsonもかくやというぐらい自由すぎるヴォーカリゼーションとステージングを披露するティムは、観る者の脳裏に強烈なインパクトを残して去っていった。その後、ドラムのネイトが、公然猥褻罪で収監されるというアクシデントを乗り越え、同年9月、2ndアルバム『Of Course』リリース。同時発売されたティムの弟マイク・キンセラによるソロ・ユニット、オーウェンの4th『At Home With Owen』とともに、その年の秋冬をキンセラ一色に染め上げた。2007年1月には、メイク・ビリーヴ&オーウェンによるダブル・ヘッドライナー・ジャパン・ツアーも成功させた。その後もSpin.comのArtist Of The Yearにノミネートされるなど、誰もが今後の活躍を疑わなかった中、フロント・マンであるティムが、フロント・マンとしての重圧と、ツアーのストレスに耐えかね、突然脱退を表明。バンドは空中分解するかに思えた。残された3人は、このままインスト・バンドで行くのか、新しいヴォーカルを迎えるのか、試行錯誤を重ねたが、結局この完成されたメイク・ビリーヴ・サウンドにおいてティムが不可欠なのは言うまでもなく、結果、再び4人でスタジオに入ることになった。前作同様、Electrical Audio Studioにて、録音にPelican、Magnolia Electric Company、Neurosisなどを手がけるGreg Normanを迎えて制作された3rdアルバム『GOING TO THE BONE CHURCH』では、これまでのゴタゴタが嘘のように、いとも簡単に、この4人でしかありえない唯一無二のケミストリーを再創出。現在も、世界最高のオリジナリティを誇るバンドであることを証明してみせた。今後、本家ジョーン・オブ・アークとしての活動もある中、彼らがどうなっていくのか、一瞬たりとも目が離せない。