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NYで活動するヴァイオリン&ドラムのデュオ。2人ともクラシカル・ポストロック・バンド、Slow Sixのメンバーでもある。Slow Sixはヴァイオリニストでありコンポーザーであるクリストファー・ティックナーを中心に2000年頃結成。SlintやDirty Threeを聴いて「インストゥルメンタリストとしての自覚」を動機づけられたという音楽体験と、一方、母親の影響で幼い頃からヴァイオリンに親しみ、ハイドンの弦楽四十奏やアルヴォ・ベルトの交響曲に感銘を受け、さらにNYUで情報科学の修士号を取得し、フルクサスのNam June PaikやAnthony Braxton(※先日Battlesの脱退を発表したTyondai Braxtonの実父)とも共演した電子音楽のパイオニア、Richard Teitelbaumに師事しプログラミングを学ぶ、といった経歴を持つクリストファーは、最初1人で音源制作を始めていたが、NYでメンバーを募り、その後、Antony & The JohnsonsやRufus Wainwrightのストリングス・アレンジメントも務めるMaxim Mostonらを迎えたコレクティヴとして本格的に活動をスタート。04年に、Dirty ProjectorsやHere We Go Magicなどを輩出したWestern Vinylからアルバム『Private Times in Public Places』でデビュー。07年にクラシック・レーベルであるNew Albionから2nd『Nor’easter』をリリースするも、また古巣Western Vinylに戻り、10年1月に3rd『Tomorrow Becomes You』をリリース。一時は9人まで増えていたメンバーも、この段階で、セオ・メッツを含む5人組となる。クラシックをはじめ、ポストロック、ジャズ、サイケデリックなど様々な要素を想起させるクロスオーヴァーな音楽性と、クリストファーの確かな作曲能力と挑戦的な姿勢が、Pitchfork、Wire、The New York Timesなど各音楽誌紙で、Steve ReichやLa Monte Youngなど現代音楽~ミニマリストや、Owen PallettやAndrew Birdなどを引き合いに出されながら絶賛される。Steve ReichやLa Monte Youngなど現代音楽~ミニマリストを引き合いに出され、Owen PallettやAndrew Birdの作品と比較されて語られる機会も多い。そんなクリストファーの新たなる音楽的実験の場となったのがこのユニットだ。Modest Mouse、Explosions in the Sky、R. Kelly、Bono(U2)、Erykah Badu、The Rootsらを手がけたJohn Congletonによってミックス、 Grizzly Bear、Animal Collective、Sufjan Stevens、LCD Sound System、Dirty Projectors らを手がけたPaul Goldによってマスタリングされた本作は、バンド名そのままに、2人よる緊張感溢れる、野心的なインストゥルメンタル・サウンドがパッケージされている。ヴァイオリンを中心にすえつつ、アグレッシヴなドラムや、コンピュータによる装飾などは、国籍を超え、日本のsgt.との共振を感じさせる。アートワークはThis Will Destroy YouのChris Kingが手がけ、Lymbyc SystymのJared Bellが寄稿している。The BooksのNickによりビデオ・クリップが制作される予定。この記念すべき1stアルバムを、日本のみのエクステンデッド・ヴァージョンとして、日本先行、ボーナストラック付きで、しかも日本のみ独占的にCD化する(本国ではアナログと配信のみ)。